「新建築」/叶V建築社

同潤会江戸川アパートメントの建替え/多様な住戸と緑地
アトラス 江戸川アパートメント


設計 NEXT ARCHITECT & ASSOCIATES

所在地 東京都新宿区新小川町6−18
主要用途 共同住宅
建主 旭化成ホームズ

設計・監理 
建築 NEXT ARCHITECT & ASSOCIATES
           担当/山中 猛 作並修也 高橋徹 梅村剛 広瀬浩
構造 構造計画研究所
           担当/西尾啓一 近藤吉治
機械 原田設備設計事務所
           担当/原田博親
電気 HAN設備設計
           担当/中村敏人
ランドスケープ 桂川デザイン事務所
                           担当/桂川眞

施工
建築 竹中工務店
           担当/松葉征洋 坂本昭夫 南川仁志 長谷川潔 中村英治 谷村充男
空調・衛生 朝日工業社
                     担当/定方良文 河崎仁重
電気 雄電社
           担当/石塚恒行 成田章人


「同潤会江戸川アパートメント」(昭和9年竣工)の建て替え計画である。ここはかつて同潤会の集大成として、都市型住宅の理想を追求した東洋一の集合住宅であった。建替え計画の始まりは、東京オリンピック(昭和39年)の頃と言われているが、種々の挫折を繰り返し、旭化成ホームズが事業主として選定されたのは平成13年であり、築70年を経過した時であった。
建替えの合意形成のためには容積を最大限使い、できるだけ床面積を増やす必要があった。しかしこの場所で容積を最大限確保すれば、日影・高度規制から凹型を北側に向けた階段状になってしまう。今回は容積の確保もさることながら、都市居住の多様な個の集積からなる景観を重視し、6棟の建物を雁行させる配棟とした。このため高密ながら住戸間の「抜け」を確保することができ、各住棟間の「隔離空間」が「シークエンス」としての空間に転換できた。
また、「同潤会江戸川アパートメント」と正面から向き合うことで、「都市住居とは」「集合住宅とは」「コミュニティとは」と問い直した。そこで、かつてそうであったように建替え計画でも集合住宅独自の風景の創出を試み、建物、庭、アプローチ「路地空間」の風景を一体化させた。また「風の道」や「つなぎ空間としての屋上」もこの発想から生まれた。さらにかつての住戸(260戸)が独身部と家族部に分かれ、家族部だけでも30タイプ(和・洋)ほどあったが、今回の計画でも20u〜100uまで57タイプを設け、さらに階高3.7mのSOHOタイプや戸建て形式のコートハウスも提案した。新たなコミュニティうぃ育む共用施設として、かつてあった社交室・ラウンジ・アトリエ等も事業主の理解により実現した。
建物の保存は種々の事情で叶わなかった、アールデコ調の面格子・ステンドグラス・造作家具等当時のパーツを共用施設に活用し、部分的ではあるが「旧10階段」をアトリエに再現し、記憶の手掛かりとした。
(山中猛/NEXT ARCHITECT & ASSOCIATES)