『志村3丁目計画』〜回顧録〜
「ドーナツ型免震構造の採用」
2012.08

●最初にこの計画地を見たのは今から15年にも前になるが、当時は旭化成(ヘーベルハウス)研究所として稼働しており、移転計画等の事情で4年程前に計画を再開した。
 この研究所跡に集合住宅を計画する最大の課題は明らかに、南側に高さ約15mほどの橋脚の上を走る首都高速(5号線)の存在であった。(計画当初は、集合住宅だけでなく、商業施設等の計画もシミュレーションした程であった。)

●首都高速の存在とその影響を整理すると以下のようになる。
  @ 首都高速及び、高架下の幹線道路を走る車両からの騒音や粉塵(南側住棟全ての住戸)。
  A 地上約15mの橋脚の上を走る首都高速による、南棟5階くらいまでの日影・眺望への影響。
  B 高速道路のExp.J上を車両が走る時に引き起こす振動が、橋脚を通じて計画地に及ぼす低周波の振動。


●騒音や粉塵は、二重サッシュやサンルーム、換気システム(給気口を廊下側に設け、防塵フィルター取付)によって対応出来るが、振動については固体伝播であるだけに、ホトホト困り果てた中で、計画地の振動を建物の上部構造と縁切るには、免震構造が最良であることに行き着いた。
 耐震的にも免震構造の優位性は高く、これは集合住宅の“ウリ”の1つになると言う事もあって、首都高速の影響を強く受ける南棟だけでなく、低層棟も含めた本計画建物全体をドーナツ型免震としたのは、クライアント旭化成不動産レジデンスの英断であった。


以上