『池尻団地建替プロジェクト』〜現場にて

 「オープンテラス」

2013.10

 着工(平成249月)して、早1年を過ぎる。今月の上棟を目指し現場は緊張感のある活気でみなぎっている。現場の中庭に立つと、間口10m、奥行17mの2層吹き抜け(5.5m)のオープンテラスが、資材の搬入のための通路となり、ダンプが排気音を出しながら入れ替わり出入りしている。現在は躯体を刳り貫いた大きなトンネルの光景だが、6ヶ月後には、対岸にしだれ桜を、更に公園の紅葉を借景とした風景に変わる。このオープンテラスと、西側と東側の2層吹き抜けのラウンジ(北側はライブラリー)からの自然光や抜けによって、集合住宅の核となる『中庭』は、景観性と自然光や風を感じる庭となる。

 
 計画段階でこのオープンテラスは何度か没案の憂き目にさらされた。このオープンテラスの空間には、2スパン2層分のため南向きの住戸が4戸分入る。人気の高い南向4戸を作るべきではないか。更に11階分の住戸が2スパンあるため、柱を3F床梁で支える事になる。大梁に鉄骨を入れても梁成は2m程になる。実施段階では、この大梁だけでは持たず、桁行方向にもテンションを掛ける必要が出てきた。コストは鉄骨も含めて3000万円くらいになる。
 
 しかし、このオープンテラスを潰せば中庭はコンクリートに囲まれた空間で一生終わる。この集合住宅全体の核となる中庭の風景をつくる事が、全体の付加価値を上げる事になると説得を続け、今大きなトンネル状の空間は出来上がった。
 
 当初に思い浮かべた風景づくりまでもう一踏ん張りである。 
 
中庭越しにオープンゲートテラスを見る。 中庭からオープンゲートテラス。シダレ桜を見る。

以上