『宇田川住宅建替計画』 〜設計主旨〜
2014.9.8

 

●宇田川住宅は、渋谷・公園通りに面し、昭和36年に竣工した店舗・事務所(1階〜3階)兼集合住宅(16戸)であった。竣工後、このエリアは渋谷パルコを始め比類なき商業集積がなされたエリアである。

 集合住宅においては、公園通りの喧噪感から隔絶したアプローチ計画、都市居住として多種多様の空間利用を包み込むプラン・共用空間の試行錯誤を行った。
●このプロジェクトに参加したのは5年程前になるが、計画にあたっては、商業施設と集合住宅との機能的整合性を持たせつつ、商業施設は、公園通り沿の他の商業施設に埋もれない、"品格"のある商業空間を試みた。(特に1階は、既店舗のコンビニの再入店が条件としてあったため、店舗は混在した業種が入らざるを得ない状況であった。)
●外観計画は、店舗階(1階〜3階)と住宅階(4階〜12階)を分節しながらも、店舗階は大壁で端部を押さえ建物基壇部として安定感を持たせている。各階に異なる店舗が入っても雑居感を払拭するため店舗としての統一性を持たせ全体をカーテンウォールとし、店舗階の頂部はクラウンとして化粧笠木を設けた。
 住宅階については、マリオンや袖壁等により、垂直方向に分節しながらもバルコニー腰壁上端水平方向については、下端にリブ形状のフィンを設ける事により様式性の表情を付加した。
住宅アプローチ・エントランス
 渋谷公園通りに約27mの間口を持つ敷地に対し、1階既存店舗(コンビニ)の間口、1階〜3階までのエントランスの間口、更に駐車時出入口が必要なため、4階以上の住宅へのアプローチは3m程であった。計画はこの路地状のアプローチを方形乱貼の延段とし、更に6mの垂直な空間を与え、縦格子を配する事により、周辺環境との結界した"凛"とした和らぎの空間構成を試みた。
  
●住戸計画については、公園通り沿に住戸を持つ(利用する)スタイルの多様性を踏まえて、地権者についてはオーダーメード的色彩を持たせた。
 具体的には地権者のアンケートや個人面談から各々住戸面積、階段、方位の希望を聞き入れ、これをジグソーパズル的に各階平面に落としていく。それも数u単位の調整を行うため、結果的タイプ数は、49戸に対して32タイプ(派生PLAN含まず)となった。プランについても地権者の要望(間取り、建具、収納etc.)を可能なかぎり反映しようと、各地権者と協議を重ねてプラン詳細が完了した。
●吹抜け空間を持つ内廊下
 今回の各階構成は、ワンフロアー4戸〜6戸の住戸の構成であるが、この住戸へのアプローチは2層吹抜け空間を持った廊下となっている。通常4戸〜6戸の内廊下は、閉塞的になりがちだが、これを2層各に構成した吹抜けを持たせる事により、自然光が差し込む大きな空間ボリュームの中から住戸に入る事が出来る。又この吹抜け空間は上下階の日常的なコミュニティーの場になる事も意図している。
(最上階2層分の吹抜け空間は、天空としここを坪庭として設えている。)
 
以上